新設タイル貼りの洗い工事
◎新設タイル貼り施工時の汚れは下記表の汚れ種類@ABが複
合している場合が多い。ほとんどはセメント、モルタルの汚れで
ある。これには現場の条件に合わせて塩酸を1〜5%に希釈し
て使用 する。業務用塩酸の濃度は30〜35%前後であり、市
販の物は10%弱の物が多い。但し、特殊な条件の場合はもっと
濃く、希くして使用する。時には全く使用出来ない場合もあります。
※希釈方法 : 使用塩酸濃度が30%であれば30倍に希釈す
れば1%濃度の希塩酸が出来、また10%の塩酸であれば10倍
に希釈すれば、同じく1%濃度の希塩酸が出来ます。
◎塩酸を使用出来ない場合、極めて希くして使用する場合
〇反射鏡面ガラス、色付け加工ガラスの外側面加工の物、が周
辺に使用してある場合は施工方法に万全に注意が必要。
〇周辺に銅、真鍮、ステンレス、メッキ製品等があり、充分な養
生が出来ない場合。
〇塩酸に弱いタイルや変色するタイル。例えばラスタータイル、
シャモットタイルや絵画、色付けタイルの中には塩酸で変色す
る顔料を使用した物もある。
〇黒目地で塩酸にもたない場合
〇周辺で塩酸に弱い石材がある場合。白色や淡色系の石材は
塩酸の為に黄色くシミが入ることがある、それも数日経てから
出るので注意を要する。
◎酸洗い施工方法
@用意する物
塩酸(タイペット)・ゴムホース・ゴム手袋・ポリバケツ・塗布用
ブラシ(ナイロン洗車ブラシ)・ステンワイヤーブラシ・ステン製
ケレン・ナイロン研磨パット・ステン製カールボーン
A作業前の点検準備
水が窓から入らないか、サッシ廻りのコーキングが完了してい
るか等、水が建物の中に浸入か確認する。また下に水が掛か
ると困る様な物が無いか点検する事。近辺に電気の高圧線等
の危険でないか点検する事。タイルやガラス等に使用薬剤が
かかっても問題が無いか目立たぬ所でテストをする。
Bまずタイル面、目地部に充分に水打ちをする。
いきなり希塩酸を塗布すると、内部深くまで塩酸成分が浸透
し、短時間の水洗いでは洗い流すことが出来なくなります。
先に水打ちをして充分に水を含ましておくと、希塩酸は表面に
流れ、あまり内部まで 浸透しない間に水で洗い流せば良い。
しかし5分程度以内に水洗いをしなければ打ち水と融合してし
まい、後で目地が白く変色します。
Cタイル面に希塩酸をナイロン洗車ブラシで塗布します。
その際、目地にも漏れなく塗布してます。
Dタイル全面をナイロンパッドで擦ります。
表面が凹凸、ザラザラ、粗荒、多孔面は丁寧に擦って下さい。
擦っても取れないセメントの塊はステンレス製ケレンかステンレ
ス製ワイヤーブラシで削りくずして下さい。
Eタイル全面、目地部を丁寧に水洗いをします。
乾燥後、洗い残しが無いか必ず点検をします。 |
タイルと目地部に水を充分含ませる
塩酸を塗布する。
セメントの固着をパット,ブラシ,ケレン等で除去
塩酸とセメン等の汚れを綺麗に水で流す。 |