発生のメカニズムと対策
水がタイルの裏側より入ると、水はセメント中の石灰成分を溶かし、水酸化石灰 Ca(OH)2 になって目地部から滲み出てきます。
そして空気中の炭酸ガスと結合して石灰石 (CaCO2) となって白くタイル面を汚します。この現象を
「白華現象」 とも 「はなたれ」 とも云います。
鍾乳洞で鍾乳石が出来るのと同じ原理です。また石膏が出来る場合もあります。成形成分を エフロレッセンス(エフロ)と呼ばれています。
また吸水性で多孔質の無釉タイルや貫入の多く入ったタイルを使用した場合、水は前面より吸い込み石灰成分を溶かして前面に引き出します。
この場合は目地部から出る白華と異なりタイル前面に広い範囲で薄く白っぽく変色した様になります。。
これらは酸でタイルの洗いをすれば一時的に除去することが出来きますが、後日にまた再発するから、白華が出ない様に素材の選定と施工方法が肝心です。
一時的な対策としては「はなたれ」状態の場合はエフロジェルで綺麗に除去した後、水の浸入箇所を補修する必要があります。
タイルの浮き上がり、割れやクラック、目地の穴、笠置や水切り等をしっかり点検注意をして水の浸入を防止します。
広い範囲に薄くエフロが発生した場合は酸洗いで綺麗にした後、浸透性撥水剤を塗布して前面よりの水の吸い込みを防止します。
しかし、これらの処置は根本的な解決にはなりません。やはり施工時に、きっちりとした施工方法をしておくべきです。
タイルに部分的な白華の場合の削り除去 |
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