フローリング 美装作業の注意
日本防音床材工業会、日本複合床板工業会、日本フロアーポリッシュ工業会の三工業会では
新築引渡し時の美装作業をする際、発生しているトラブル防止について遵守すべき事項を三工業会よりの標準作業方法として発表しました。
--- 発生しているトラブル ---
- 大量の水の使用により、床材が反る、突き上げる、床鳴りが発生する。
- 洗剤(アルカリ性)の使用方法が適切でなく、床材が黒く変色する。
- 樹脂ワックスの塗布方法が適切でなく、床材がふくれる、変色する、床鳴りが発生する。
- 剥離剤を使用して、床材の塗膜が破壊する、床材がふくれる、変色する。
これらのトラブルが発生すると、対応として床材の張り替えなど大掛かりな工事が必要となります。
床材表面は塗装されていますので表面から水などの侵入は防げますが、継ぎ目は実加工のため塗装されていません。
このため、継ぎ目から水、洗剤、樹脂ワックス、剥離剤が侵入すると上記のトラブル発生の原因となります。
床材に使用している塗料はワックスを塗らなくても耐久性は充分ありますが、樹脂ワックスで美装をおこなうときは、標準作業方法を遵守してください。
なおロウタイプ(水生、乳化性、油性)ワックスは、すべりやすく、汚れやすく、密着しにくいので使用しないでください。
標準作業方法はこちらから
ワックスレス フローリングについて
最近、急速に普及しているワックスレス フローリングの美装作業とワックス掛けには大変注意が必要です。
知識が無く、施工すると、いろいろなトラブルが発生します。
ワックスレス フローリングについては こちらより
フローリング美装作業について (有)キクミ商会 作業マニアル
実際の現場では下記の様な事に注意すれば良いかと思います。
◎ フローリングは、4〜5列が1ブロック になっており、 それを組み合わせて接着剤で接合してあります。
◎ フローリング表面は加工により保護されているが、接合部分や切り口部は加工がされ
ていませんので 長時間にわたり水、洗剤、剥離剤、ワックス等で濡れていると、加工
されていない部分より浸透して 種々のトラブルが発生します。
よくあるトラブルの発生事例
◎ 窓などより吹き込んだ雨水等を放置していた。
◎ 床にこぼれた水が養生ビニールの下やダンボール紙を濡らした状態で放置していた。
◎ ビルメンテナンスの床洗い作業の様に、広い面積に水や洗剤、剥離剤を塗布して洗浄
作業をした為、 時間が経過し過ぎた。
◎ 大量の水や液を撒き過ぎた。
フローリング洗浄作業の放置安全時間の目安
◎ 水 約30分以内
◎ 洗剤 約10分以内
◎ 剥離剤 約5分以内
◎ ワックス 通常の作業方法ならば特に問題は無い。
※ 但し、大量の水や液の場合は上記の時間より短くなります。
上記の時間以内に一度拭き上げて乾燥させます。まだ洗浄作業が必要のある場合は、
続けて作業をせず一度乾燥させてから、もう一度改めて再開する。
一度に行う作業範囲
フローリングの洗浄作業では上記の目安時間以内で出来る範囲を1回の作業範囲と
して、面積を区切って作業を進める事が必要です。出来るだけポリッシャー等を使わず
手作業で行う方が無難でしょう。
セラミック樹脂加工フローリング床材のワックス掛けの注意事項
最近使われているフローリング床材の大半はワックスレスのフローリングですが、それ以前は表面にセラミック樹脂加工を施した、セラミック樹脂加工フローリング床材が主流を占めていました。このフローリングは、薄くスライス木材にセラミック樹脂を浸透させたものです。
セラミックは陶器や磁器と 同系の大変硬い素材から出来ています。
その為、使用するワックスが適合しない場合にいろいろな問題が 発生して
います。
一つは上記の三工業会からの注意事項としてロウタイプ(水性、乳化性、油性)
ワックスは不適当であること. しかし樹脂ワックスを塗布すると、セラミック加工
の表面の状態により次の三つの場合があります。
@ 塗布したワックスが全然密着せずに撥いて、水玉の様に逃げてしまい、
ワックスのある所と無い所が出来て、まだらになってしまう。
A 塗布したワックスがほんのわずかに密着した場合、一見きれいにワックスが
掛かった様に見えている。しかし乾燥後、人が歩いたり、箒で掃いたり、擦っ
たりすると白い粉が出来、全体にホコリぽっくなる。そのまま放置していると
継ぎ目の溝に白い粉が溜まってくる。しかしモップ等で水拭きすれば取れて
しまうので、実際にはあまり気がつかない。何回か水拭きすればワックスは
取れて無くなってしまう。
B 密着して綺麗に仕上がる・
対策として
密着性に優れているリンレイ フローリングプロ を使用
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