汚れやシミを取る場合の基本的概念
● 有機質系の汚れやシミはアルカリ性か中性(PH9以下の弱アルカリ性)の洗剤か薬剤で除去し
ます。
※有機質とは燃える様な成分で燃えると炭酸ガス CO2 が発生する炭素と水素の化合物です。
※無機質でもリン、マグネシューム、硫黄などは燃えます。硫黄は燃えると亜硫酸が発生する。
● 無機質系の汚れやシミは酸性の洗剤か薬剤で除去する。
● カビは塩素系の洗剤か薬剤で除去します。
● 塗料系の汚れやシミは石油系溶剤、ハクリ剤、洗剤等を使用します。
これらの事はいろいろな所での共通概念です。
例
◎トイレの殆んどは尿の汚れで有機質系の汚れです。その為、アルカリ性か中性のトイレクリーナー
でクリーニングをします。しかし、尿石は炭酸カルシュームで無機質系の為、酸性トイレクリーナー
か塩酸などの酸性薬剤で除去します。
◎浴室の主な汚れは人の垢です。その為、アルカリ性バスクリーナーか中性バスクリーナーで洗い
ます。しかし、洗い方が不十分か水に無機質成分が多く含まれていると無機質系の汚れが蓄積さ
れてきます。その場合は酸性バスクリーナーか酸性薬剤で除去します。
◎キッチンや厨房のタイルは油汚れです。この場合はアルカリ性洗剤か苛性ソーダー等の薬剤で洗
います。しかし、新設の外装タイルの汚れはセメントや目地モルタル等の無機質系汚れです。この
場合は塩酸などの酸性洗剤か薬剤で洗います。
◎その他、木部や石材等々、いろいろな所でも共通事項です。
液性について
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強酸性 |
弱酸性 |
中性 |
弱アルカリ性 |
強アルカリ性 |
◎ pH値が1 高くなるとイオン濃度は10倍になります。2高くなるとイオン濃度は百倍に・3上がると
千倍・4上がると1万倍・5上がると10万倍・6上がると100万倍・7上がると1000万倍になります。
◎ 10倍に希釈するとpH値は1低くなり、100倍に希釈するとpH値は2低くなり、1000倍に希釈
するとpH値は3低くなります。
希釈倍率について
◎ 洗剤など容器に貼り付けてある取り扱い説明書には「5倍希釈でご使用下さい。」と表示されてい
ます。この場合は 洗剤 1 に対して 水 4 の割合で希釈すると5倍希釈になります。10倍希釈は
洗剤 1 に対して 水 9 の割合で10倍希釈になります。
◎ 一方、文献などでは1%溶液に希釈してご使用して下さい。と表記されている場合、例えば9,8%
の市販の塩酸では約10倍に希釈すれば1%の希塩酸をつくる事が出来ます。又、30%の業務
用塩酸で2%の希塩酸を作る場合は15倍に希釈する必要があります。
原料になる方の濃度により希釈倍率が変わる事を考えて希釈する必要があります。
洗剤と洗浄剤について
◎ 「洗剤」は汚れの落とし(浮かし)方が主に界面活性剤の力を利用したもので、「洗浄剤」は中和作用の力で
落とすものを云います。例えばアルカリ性の尿石やエフロを塩酸や有機酸などを使用して除去をする。
エアコンの汚れをアルカリ性の液で流し取るのは「洗浄剤」です。
又、洗濯機で衣類の汚れを落とすには界面活性剤の力による「洗剤」で落とします。
ハウスクリーニング、洗い美装の基本概念
(有)キクミ商会 |
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